こんにちは。
今日の二十四節気七十二候は以下の通り。
【二十四節気:啓蟄(3/5~3/19頃)】
啓蟄とは、土中で冬ごもりをしていた生き物達が目覚める頃のこと。
生き物たちは久しぶりに感じる爽やかな風と麗らかな春の光の中で生き生きとしています。
【七十二候:(3/5~3/9頃)】
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表しています。
私の住んでいるエリアへ来ると、雪室〇〇という言葉をよく聞きます。
雪室貯蔵の野菜、雪室熟成のお酒等々・・・。
本日は雪室についてお話をしていきたいと思います。
雪室とは、雪を利用した天然の冷蔵庫のこと。
歴史を紐解いてみると、古くは『日本書紀』にも記録が残されているそうです。
また、江戸時代日本海側から関東まで鮮度のよい魚を運ぶため、雪を詰めた箱に入れて魚を運んでいたのだとか。
更に明治から昭和30年代にかけては地面に大きな堀った穴の中に大量の雪を入れ、藁などで覆ってじっくりと冷蔵する新たなスタイルが定着していたそうです。
現代のような冷蔵庫がなかった時代に年間通じて低温を保つ雪室は、野菜などを保存するだけでなく、野菜や食品を冬の凍結から守ったり、夏は雪や氷を売るなど、雪国の人々の生活の糧にもなったそうです。
現代の雪室の形には大きく分けて2種類あります。
それは、食品を雪の中に直接埋めて冷やす「かまくら型」と、庫内に雪を貯蔵することで空間自体を冷やす「氷室型」です。
現代で圧倒的に多いのは氷室型。更に最近の氷室型は現代の技術を用いて様々なタイプのものが開発されています。
それらの種類は大きく分けて三つです。
一つ目が自然対流式。
これは貯雪庫(雪を貯めるスペース)と貯蔵庫(保存するものが置いてあるスペース)の間に簡易的なしきりしか設けず、冷たい空気は下に、暖かい空気は上に流れる性質を利用しているそう。電気をほとんど使わないのがポイントです。
二つ目が空気循環式。
これは貯雪庫と貯蔵庫の空間が完全に別れており、間には機械のスペースがあります。
貯雪庫と貯蔵庫の間にはパイプがあり、貯雪庫の冷たい空気を貯蔵庫に送り込む仕組み、熱交換を行う仕組みです。
こちらの特徴は貯蔵庫の冷却に送風機の電力以外ほとんど使わないので、通常の巨大な冷蔵倉庫と比べたら大幅に電力を削減出来ます。
三つ目が冷水循環式です。
これは貯雪庫と貯蔵庫の空間が完全に別れており、間には機械室があります。
この機械室にあるポンプが貯雪庫の雪解け水の冷気を熱交換を通じて貯蔵庫を冷やします。
こちらの特徴は個別空調が可能なため、病院や学校、集合住宅に導入している場合が多いそうです。
どれにも言えるのは、自然の冷気を利用しているので、電気で冷たい空気を発生させていないので、とてもエコなエネルギーであるということです。
まさに雪国の知恵と言えますね。
今回の説明を読んで、「電気冷蔵庫を使って冷やすのと雪室を使うことによる違いはあるのか?」と思った方もいるかもしれません。
次回は電気冷蔵庫と雪室を使うことによる違いについてお話をしようと思います。
それでは。