ギリシャのミロス島にあるミロのヴィーナス返還運動のポスター

ネイティヴスピーカーと話すメリット

オンライン英会話サービスには様々な国籍の講師がいる。アメリカやイギリスはもちろん、ヨーロッパ、アフリカ、中南米、アジアと英語を母語としない講師が多数在籍している。特に非英語圏の国々で多いのはフィリピンとセルビアの講師だ。彼らの英語はいわゆるネイティヴスピーカーよりも聞き取りやすいので学習歴の浅い方々、いわゆる初心者・初級者に易しく、適していると言えるだろう。ネイティヴスピーカーというのはある言語を母国語として話す人のことで、今回は英語を母国語として話す人のことをネイティヴスピーカーと呼ぶ。
オンラインの英会話サービスを使ったことのある方なら分かるかと思うが、非ネイティヴスピーカーの講師のみ受講できるプランの方が安く受講出来る。事実、私が講師を務めるサービスはネイティヴスピーカー講師を受講出来るプランはそのプランよりも3倍程度高い設定になっている。それは各国の平均賃金や物価が多分に関係しているし、だからこそオンライン英会話サービスを提供する各社は格安の料金を実現している。

私はある程度簡単な表現で伝えられる様になったら、ネイティヴスピーカーの講師をおすすめしたい。なぜならその人達そのものが”生きた教科書・辞書”だからであり、その生きた教科書と話すことで習得速度が高まると考えるからだ。英語を母国語として、また母語として育ってきたということはその人の感覚そのものが英語であると。表現や動詞、熟語の使い方が自然なのだ。対してセルビアやフィリピンの先生方の母国語は一般にセルビア語、タガログ語であり、彼らが英語の講師を務める場合は第二言語以降として英語を学ぶことになる。熟語や単語などの表現は後々”学んで”身につけたものであってまずはセルビア語やタガログ語から英語を学ぶ訳である。つまり元々の感覚に備わっているものではないと言える。私の場合は日本語から英語を学んだのと同様に。

何が言いたいのかというと、ネイティヴスピーカー達と話すことは英語そのものの感覚を磨くことに繋がるし、より自然な熟語の使い方や発音を学ぶことができるのだ。そういったセンスや言葉に出てこない非言語の要素を加味すると、ネイティヴスピーカーとの会話の方が圧倒的な情報量が内包されていることになる。話をしているだけで、「あ、こんな簡単な表現で伝わるのか」「getという動詞だけでもこんなに幅広い表現ができるのか」といった具合に無意識で学びとることが出来る。当然英語を第一言語とする話者の方が語彙の多さも圧倒的である。だから「この表現はどう言えばいいの?」ネイティヴスピーカーに聞く方が様々な表現を教えてくれるし、状況に応じた適切な表現を教えてくれるだろう。

何もこれは英語に限ったことではなく、例えば日本語学習歴4年のベトナムの方に日本語を学ぶよりも、日本人から日本語を学ぶ方が学びは多いだろう。逆もまた然りである。

だからこそ、いきなりとは言わずとも慣れてきたらネイティヴスピーカー講師を選んで学ぶことをお勧めしたい。会話を通じ、実は言語学習とは非言語面からも多くを学んでいるのだと気付くはずだ。

ある人は投資で一番利回りがよく、確実にリターンを得られるのは自己投資であると説く。そうであれば例え3倍近い料金を支払ってでも英語を第一言語とする話者を選んでみよう。
3倍とはいえ、駅前留学に代表される対面レッスンと比較すれば、オンライン英会話の価格はたかがしれている。