おはようございます。
本日の二十四節気七十二候は以下の通り。
【二十四節気:啓蟄(けいちつ:3/5~3/19頃】
啓蟄(けいちつ)とは、土中で冬ごもりをしていた生き物達が目覚める頃のこと。
生き物たちは久しぶりに感じる爽やかな風と麗らかな春の光の中で生き生きとしています。
【七十二候:蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく:3/5~3/9頃)】土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表しています。
本日は雪室熟成について。
雪国には、お酒、お肉、野菜、味噌、醤油等様々な”雪室〇〇”、”雪室熟成〇〇”、”雪室貯蔵〇〇”と付く商品があります。
それぞれの商品の説明書きを読むと、”熟成が進む”と書いてあります。
雪室に入れると、熟成が進む。
今回はこのことを調べていきたいと思います。
まずは熟成という言葉を辞書で調べてみると、
1 成熟して十分なころあいに達すること。「機運が熟成する」
2 魚肉・獣肉などが酵素の作用により分解され、特殊な風味・うまみが出ること。発酵を終えたあとそのままにし、さらに味をならすこともある。なれ。「味噌が熟成する」
3 物質を適当な温度などの条件のもとに長時間置いて、ゆっくりと化学変化を起こさせること。
今回は食品における意味なので、2と3が当てはまります。
雪室で貯蔵をすることの特徴は、以下の通りです。
・一定した高湿度環境が保てること
・電気冷蔵庫の様な温度の揺らぎがないこと
・振動、光による影響を受けない「静置」状態を維持できること
上記の特徴から起きる熟成のメリットは以下の通りです。
・「静置」によってストレスフリーな熟成が進む
「静置」静置状態に置かれた食品は、ストレスが少ないため状態の良い熟成をすると言われている
・分子会合の変化(低温糖化)
食物が自らの凍結を防ぐために、含有するデンプンを糖化して、ショ糖を増加させる。
更にそれぞれの食品における雪室貯蔵における熟成の違いを見ていきましょう。
《肉》
一般の電気冷蔵庫と違い、温度調節機による温度管理でなく霜取りが不要なため、常に一定の温度と湿度で保蔵と熟成ができる室内環境が保てることにより、ドリップ(赤い液体。スーパーのパック肉をみるとよくあるもの。微生物が繁殖しやすい環境)が出にくくなり良質な熟成が進む。
《魚》
光や振動の影響が無く、安定した低温・高湿度環境を保つことができる雪室貯蔵で、素材そのものが持つ旨味をぐっと凝縮し、よりいっそう深みのある味わいに仕上がる。
《酒》
一定の室温・湿度・無振動・遮光性等の条件が揃うと、より良質な熟成が進む。
アルコールと水の分子会合が解け、水素結合することにより、口当たりがマイルドになる。
《コーヒー》
雪室の低温状態に置かれた食品、細胞の生きている状態のものは寒さに耐えるため、呼吸を控える。
呼吸を控えやすい状況が、劣化・酸化を抑える。
酸化を抑えることでいやらしい酸味を感じることなく取れてマイルドな味わいになる。
上記の様な効果があります。
おそるべし雪室です。熟成という言葉を抜きにしても、いかに食品にとって最高な保存環境であるかが分かります。
電気冷蔵庫との違いを知っておくだけでも、食品保存に対する考え方が変わりますね。
私は食品保存においては雪室の右に出るものはないのではないかと感じました。
皆さんも実際に”雪室〇〇”の商品がどう違うのか、実際に体感してみて下さい。
それでは。