古代ギリシャの石板

各言語の周波数帯域

言語間距離

先日の記事では、日本人が英語に苦戦する理由について、言語間距離について少し触れた。言語間距離を簡単にいうと、それぞれの言語がどれだけ似ている、もしくはどれだけ異なるか?という程度を示すものである。

言語間距離については、大変分かりやすい図があった為、引用する。

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引用: JBpress インド・ヨーロッパ語族が拡散した意外な理由とは

分かりやすい例でいくと、上図の下部、ラテン語から派生している言語にはポルトガル語、スペイン語、フランス語、イタリア語がある。これらは先祖がラテン語と言う共通点がある為、短絡的に述べると原語間距離が近いし、”兄妹”の様なものということになる。

実際、スペイン語が話せる人はフランス語やイタリア語などの他のラテン言語を話せる人が多いし、これらの言語私が以前働いていたクルーズ船でも、そういった人々が数多くいた。

言語における周波数と英会話

こういった言語間距離だけでなく、日本人が英語に苦戦する理由がもう一つある様だ。それは、言語の”周波数帯域”である。日本語の日本語が使う音の周波数が500~1000hzあたりが中心なのに対し、英語は2000〜3000hz以上であり、下図には反映されていないが、場合によっては8000〜10000hzであるという。

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引用: zone.7 #725 日本語の声域の周波数

つまり日本語を使う日常生活では、英語の周波数帯を使うことは少ないことになる。

このあたりの周波数は日本語の会話では使われていませんので、「モゴモゴしているように聞こえてしまい、聞き取れ」ない、というより、実は日本語の周波数に慣れている日本人の耳は2000ヘルツ以上の周波数を、「雑音」として脳が処理=キャンセリングしているのです。

出典: 高城未来研究所「Future Report」Vol.600

これが日本人が英語のリスニングに苦戦する一つの理由となるだろう。
周波数についても簡単に説明する必要がある。

周波数とは、”規則正しく繰り返される現象の、単位時間あたりの繰り返し回数のこと。1秒あたりの繰り返し数を「Hz」(ヘルツ)という単位で表す。

出典: IT用語辞典 e-Words周波数【frequency】

簡単に述べると、周波数が高ければ高い程、高音で周波数が低い程、低音である。確かに、英語は日本語に比べれば音が高く聞こえるし、日本語はとても落ち着いて話している印象(低音)を受ける。参考までに、蚊の飛んでくる音は20000Hzだそうだ。確かに高音だ。

対策として有力なものの一つに、ひたすら2000~3000Hzに触れる時間を増やすというものがある。これは脳に「この周波数帯域は、雑音ではない」と覚えさせるアプローチになるそうだ。

上記に従うならば、一昔流行った”聞き流すだけ”の”スピードラーニング”だけで聞ける様になりそうだが、そうとなっていれば今も多くの人がスピードラーニングを使用しているだろう(当事業は2021年8月31日に終了している)。
インプット(聞く+読む)だけでなく、アウトプット(話す、書く)が必要だということを示しているのかもしれない。

2000Hz〜3000Hzの音源は様々だ。先に挙げた英語だけでなく、私達が聞く音楽にあるかもしれない。

ちなみに、下記は2000hzと3000hzの音源である。

はっきりと違いが分かるくらい、音に差があることが分かる。

また、ピアノの鍵盤でいうと、2000hzはシ6とド7の間、3000hzだとファ#7 とソ7の間になる。これはピアノの鍵盤でいうと下記の場所だ。右側なのでピアノの一番高い所になる。

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引用: Pixabay OpenClipart-Vectors (内容を改訂)

興味のある方は、20Hz〜20000Hzもあるのでご覧いただきたい。

まとめ

ここで感じたのは、言語を話すということは人格の形成にも大きく関与しているということだ。

日本語の様な低周波数(低音)を一生ずっと話している場合と、英語の様な比較的高周波数(高音)の言語を話しているのでは与える影響は大きく変わる様のはある意味必然なのではないだろうか。

筆者は話す言語の文法が大きく人格形成に影響すると考えてきた。
例えば、”私は野球をします”は英語でいうと”I play baseball”となり、単語順でいうと”私 します 野球”となり、”します(play)”が先に来る結論先行型になる。

日本語の”私は野球をします”の”play”、”します”が最後に来る様に、結論をギリギリ最後にする場合が多い。

これが英語話者が本音を言いやすく(文法的に結論を後に出来ない≒誤魔化せない)、日本語話者が本音を言いにくい(文法的に結論を後にも先にも出来る≒誤魔化せる)という傾向を作り出していると考えていた。

しかし、文法だけでなく言語によって異なる周波数も人格形成に大きな影響を及ぼしていることだろう。

上記の図を見ると、フランス語には空白の周波数があることが分かる。
また、ロシア語は125Hz〜12000Hz(調べた文献には8000Hzまでという記載が多かった)までの帯域を広くカバーして、まるでカメレオンみたいである。

これらの空白が何に影響しているのか、非常に広い帯域が何を意味するのか。言語の周波数帯域と人格形成を考察すれば、何か新しいものが見えてくるかもしれない。