おはようございます。
本日は予告通りアミノ酸液について。
そもそも論として、もう一つ知る必要のあることがありました。
それは、アミノ酸液とアミノ酸の違いです。
JAS規格(日本農林規格)では、醤油においては、アミノ酸液は原料、アミノ酸は、食品添加物扱いとなります。
アミノ酸液は、脱脂加工大豆(https://katatemagoto.com/soysource/)や小麦グルテン等の植物性蛋白質を塩酸(!)で加水分解してグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンなど多くのアミノ酸を作り炭酸ナトリウムで中和した、旨味の強い液体調味料です。
主に醤油の原料として扱われます。第二次世界大戦後の食糧難時に生まれた技術なのだそう。特に九州地方ではこのアミノ酸液を使った甘口の味が好まれるそうです。
アミノ酸液を使うメリットは何なのでしょうか。それは、熟成期間を短縮できることです。
先日、混合あるいは混合醸造について説明をしましたが、混合、混合醸造ではアミノ酸液を用います。
特に混合醸造の場合は、アミノ酸液を加えて熟成をさせると旨み成分が添加されることになるので、およそ1〜2ヶ月という速さで熟成が完了するのです。
通常の醤油は短くとも熟成に半年かかります。
つまり手間とコストを省くことができるのです。
デメリットは、食の安全性と味、そしてそもそもそれは醤油なのかという疑問。
醤油の原材料表記を見ると、混合と混合醸造には下記の様な名称が並んでいるはずです。
「食塩・脱脂加工大豆・小麦・アミノ酸液・糖類(ブドウ糖、砂糖)、アルコール、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料(ステビア、甘草)、ビタミンB1」
一方、本醸造の醤油の原材料表記を見ると大抵は「丸大豆・小麦・食塩」が多いです。
こうして比較すると、「そんなに原材料が必要なのか?」という気持ちが湧いてきませんか。
更に混合と混合醸造はコスト削減、時間短縮が目的になっている場合が多いです。
脱脂加工大豆もコスト削減手段の一つ。脱脂加工大豆がセットで使われている場合が多いです。
脱脂加工大豆は名前の通り、油分を抜かれた大豆。これは醤油の醸造の際に油分が不要になる為にあらかじめ油分を抜いて使うものです。
その油分を抽出する段階では、ヘキサンという薬物が使われています。
ヘキサンは実は、灯油やガソリンに多く含まれているベンジンの主成分でもあるのですね。
もちろん、その成分が残留しない様な工夫はされていないのでしょうが、やや安全性が気になる所でもあります。
いかがでしょうか。
今回は醤油を通じてアミノ酸液について調べてみました。
私個人の感想としては、そこまでして手間とコストを削減したものを口に入れたいのかというと、私はそうは思えませんでした。
私はこうした食品がどの様にして出来ているのかにとても興味がありますので、これからももっと知識を深めていきたいと思います。
皆さんも自分の食しているものを調べて見ると、色々な発見があるかと思います。
それでは。