ある財閥系商社の律儀さ

こんにちは。
本日はナフプリオという島に来ています。
この島は近代ギリシャ最初の首都として知られております。1829年からギリシャ王国建国直後の1834年までが首都でした。

これから午後に時間がありますので、巡ることにします。

さて、本日はギリシャに到着してから最初の一週間を過ごした資格を取る為の学校での一幕を書いていこうと思います。

その学校でイギリス人の先生に出会いました。1972年から1975年まで横浜で日本で働いていたそうです。
仕事は港での鉄鋼の取引で、日本の財閥系商社とやりとりをしていたそうです。

その話でも十分驚きましたが、更に驚くことがありました。
それは、その先生が私に対して住友マークの手帳を見せてくれました。
私が何故持っているのかを聞くと、先生曰く”毎年住友商事が手帳を送ってくれる”とのこと。

今その先生は当然取引はしているわけではありません。しかし毎年律儀に住友商事に手帳を送っているそうです。

この話を聞いて感動をしました。
一般的に考えれば、そんなことをしたって特に意味はないと考えるかもしれませんし、直接売り上げに繋がるわけではないので無意味だと考えるかもしれません。

確かにそうした考えも一理ありますが、40年以上経っても”あなたを忘れていませんよ”という無言のメッセージを行為を通じて行うことに私は何とも言えぬ美しさを感じました。
こうした行為をしているのは過程を重んじる日本独特の慣習かもしれません。

何だか日本人で良かったなと感じた瞬間でありました。

私もこうした日本独特の言葉に隠された意味を大切にし、察するという感覚を常に持ちつつも、

欧米諸国の様な自分の意思を行動や言葉ではっきりと示すことの出来るバランス感覚を持てる様になりたいと思います。