燻製って何だろう?

こんばんは。
本日は発酵、腐敗、熟成に続いて燻製について考えていきたいと思います。

燻製というと、どんなイメージを思い浮かべますか?
私は香りのする木で炙っている様な印象を受けます。
果たして燻製とは一体何なのでしょうか。

燻製という言葉を辞書で調べてみると、下記の様な言葉が。

”魚肉・獣肉などを塩漬けにし,脂(やに)の少ないナラ・カシなどの木屑を焚いた煙でいぶしながら乾燥した保存性のある食品。独特の香味がある。”

燻製は、塩漬け→いぶって乾燥させるという過程があったのですね。

燻製の始まりはいつ頃からなのでしょうか。
歴史は大変古く、一説によると13,000年前の石器時代だと言われており、燻製の原型とも言える調理法が生まれていた様です。

石器時代は私達人類の祖先が石を加工して斧や生活道具を石で作っていた時代。
動物の狩りが盛んになり、肉や魚などの食材が獲れるようになり、飢えや飢餓から身を守る為に食材の長期保存を考えたのではないかと考えられています。
つまり長期保存ができる方法としての知恵だった様です。

何故燻製をすると長期保存ができる様になるのでしょうか。
それは、下記の効果によるものが大きいです。

・塩漬けによる食品の脱水効果
・燻煙の煙に含まれるフェノール化合物による抗菌作用、抗酸化作用によって食材の保存性を高める作用
・長時間の燻煙による脱水作用

現代では、冷蔵庫や冷凍庫等、技術の発達により食品の長期保存技術が発達しました。
そこで現代は普段と違う食感や味わいを楽しむためのものと変化しつつあるのです。
日本の伝統的食品としては「かつお節」、「いぶりがっこ」などがありますね。
鰹節の汎用性はもちろん、私はいぶりがっこの独特な香りが大好きです。

更に、燻製には大きく3つの種類があります。
「熱燻(ねっくん)」「温燻(おんくん)」「冷燻(れいくん)」です。

熱燻は、80度以上の高温で1時間程度の短時間、スモークする方法を熱燻法といいます。
加熱時間が短く、水分が飛ばぬ為、保存性はほとんどなく、煙をかけた食事としての意味合いが強いです。
代表的な料理だと、イギリスやアイルランドの郷土料理である、キッパーヘリング(ニシンの薫製)です。

温燻は一番スタンダードな方法です。一般的に燻製という場合はこの「温燻法」のことを指す場合がほとんど。
30〜60℃ほどの煙で数時間から1日程度いぶします。
ほとんどの燻製はこの温燻法で行われます。ベーコン、スモーク・ジャーキー等はこの方法で作られます。

冷燻は25度以下の低温で1~4週間の燻製方法。
その間にほとんどの場合水分が抜けてでしまうのでかなりドライな感じの仕上がりに。
更に25度以下という低温の為、基本的に外気温度がこの気温を超える場合は作れないのです。
生ハムやスモークサーモンはこの方法で作られます。

いかがだったでしょうか。
燻製は発酵同様で保存性を高める上で考えられた方法だったのですね。

改めて人間の知恵の素晴らしさを感じます。
こうした方法を学んでいくと、まだまだ知らないことばかりだと痛感します。
人間、知らないことばかりだから面白いですね。

それでは。