万年筆は語りかける。「そんなに速く書かなくても良いのじゃないの?」
万年筆を購入して4日が経った。水星逆行中にコミュニケーションツールを購入するのはどうかと思ったが、「コミュニケーションの見直し」と言う言葉が反応した。
万年筆を購入したのは初めてだ。早く書いてみたくてしょうがないので近くのカフェで開封の儀を執り行う。インクは交換の容易なカートリッジ式だ。早速ノートに書いてみると、ペン先が紙に喰らいつく感覚が気持ち良い。ボールペンとは異なる書き味に自分の好きな色を選べるインクのバリエーション。そして書いている時のワクワク感。万年筆はこんなに素晴らしいものなのか、文字を書きたくなるということはこういうことなのか、と実感した。
ちなみにインクはフランスのHERBIN(エルバン)社という会社のもので、創業は1670年とルイ14世在位時代から続く会社なのだそうだ。インクカートリッジの入った瓶は可愛らしい。
ちょうど使い続けていたノートも終わりを迎えた。文具屋さんへ行くと、良さげなノートを発見。紙の色は薄がかったクリーム色で、A5サイズ100綴りが1,100円。ちょっと高いけれどピンときてしまった。自宅に戻って書いてみると、期待した通りの書き心地だ。インクの何ともいえぬ藍色がそのクリーム色の下地によく映える。そのコンビネーションには色気さえも感じてしまう。隙あらばノートを開きたくなってしまうくらい心地良い。少し前まではずっとCAMPUSを使い続けていたが、ふと気になったツバメを購入。これは素晴らしいと思っていたが今回のLIFE製は更に素晴らしく感じた。もうこれではCAMPUSに戻れない。昔はノートなど何でも良いと思っていたのに。
良いものというのは確実に何かを訴えてくる魅力がある。せっかくならば、私はそれらを通じて得られる心地良さを追ってみたい。
ノートに何かを書くだけでこんなに楽しいなんて。
日々の楽しみは足下に転がっている。
その思いは日々強まる。